君にかける魔法
チークは彩度・明度低め。
リップも少し暗めで全体を統一。
パーツの形が綺麗だから、それに合わせてリップを塗っていく。
ヘアは高めの位置でまとめる。
ツヤを出しながら、そして飾りも微調整しながら付けていく。



「出来ましたよ。」



Natsukiは目を開け、鏡を見る。


「100点満点です!」


鏡越しににっこり笑う。



「Natsukiさん、お願いします」

スタッフさんが楽屋に呼びに来る。


「ありがとうございました。」


Natsukiは撮影スタジオに向かった。
私もお直し用の道具を持って後についていく。



「はーい、いいよー」
「1回とめまーす」

合図とともにNatsukiのメイクを直す。

そして撮影再会。


私には眩しすぎるくらいの照明の中でポーズを決めるNatsukiは、私が知っているナツキとは別人みたいで、遠い世界の人のように思えてしまった。

7年も時間は経った。

きっと、………




「はい、Natsukiさん終了でーす」
「ありがとうございました!」

撮影は無事終了。
次の現場があるため、私は急いで道具をまとめる。


「モモ!」
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