君にかける魔法
私は何も分かっていなかった。
言葉の意味、思い。

自分に情けなさを覚えた。






一睡も出来ないまま、学園祭2日目の朝がやってきた。
『大学の友達とお昼くらいに行くね』
青葉さんからLIN○が来ていた。

「…おはよ、ナツキ」

少し気まずいけれど、教室に入ってきたナツキに声をかけた。
このままじゃ嫌だ。

「あ、おはよう!」

…いつも通り。
昨日のことが嘘のよう。

嘘。

「昨日は態度悪くてごめんね。」
「うん。」

「あとお願い!」

無邪気な笑顔を見せる。
今はこの笑顔を信じる。



「発表あるのに、いいの?」
「絶対やってもらうって決めてたの!後で落とすから、髪はまとめればOK」

ヘアメイク。
昨日は出来なかったもんなぁと思いながら、ナツキがおそらくしてもらう気満々で準備したであろうメイク道具とヘアアイロンでやっていく。
せっかくメイク道具を持っているのなら、可愛いからやればいいのにと思いつつ、ほぼ使用感のないコスメたちでメイクをしていく。


「この前と違って、これもいいかも!」
「良かったー」

どうやら気に入ってくれたみたい。
服装も相まってか、2次元にいそうな感じだ
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