君にかける魔法
こんな地味で、何も取り柄がない私でも、良いって言ってくれる人がいるんだ。

きっとこの瞬間を私は待ち望んでいたのかもしれない。

自分に感じる劣等感。

いつも誰かと比べ、
自分が一番だれかと比較して、
自信をなくし、
落ち込み、

だから私を肯定して、ありのままを受け入れてくれて


「ありがとうございます。…よろしくお願いします。」


もうすぐタイムリミット。

名残惜しさも感じつつ、これからこの人の彼女になるのだなと実感し、彼の後ろ姿を見てまた鼓動が早くなる。

彼が着けてくれたうさぎのカチューシャを優しく撫で、収まらない胸のドキドキを隠し、私は教室に戻った。





当番に戻り、少し時間が経った頃、ナツキは部活の発表の為の準備に向かった。
「頑張って!」
「うん!行ってくる!」
髪をまとめ、メイクを落とし、颯爽と走っていく。

間もなくフィナーレ。

私たちも片付けをし、体育館に向かう。











『…』

『最後に、もう一度……』




『最高の舞台を…せーのっ!』



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