君にかける魔法
「はい!完成!」
「モモ天才!まじ器用すぎるっありがとうございますっっ!」

鏡を見て喜ぶハルカ。
高校入ってから仲良くなって、結構ヘアメイクをやってあげているんだけど毎回初めてやってもらった感じの反応をとってくれてこちらも嬉しくなる。


ガンッッッッ


(……?)


タタタタッッ……


旧校舎来る人いるんだ…

え、

「今、見られた?」
「…さ、さぁ?」

ふと頭によぎってきた不安。
こんな地味な私が、ヘアメイクなんかに興味があってカバンの中身がこんな感じで…って

バレたくない

「大丈夫じゃない?私達別に目立つタイプじゃないでしょ。」
「そうだよね。」

これは私の密かな趣味なのだ。
趣味で良い。
世の中のこういうことに興味がある子はだいたい可愛い子・陽キャ・目立つ子(←偏見です)。
私は親友・身近な人を喜ばせられればそれで良いんだ。

何もおきませんように…




『モモ様ありがとうございます。過去一かわいいだそうです』
ハルカと駅前でご飯を食べ、少しお店を見てから家に着くとLIN○が届いた。
無事、ヤマト君と会えたみたい。
『ハルカの美を常に更新できるように、頑張らせていただきます!』
送信完了

「お姉ちゃんおかえりー」
「ミコ、ただいまー」
双子の妹・兎子(ミコ)がツインテールを揺らしながら駆け寄ってくる。
ミコの学校は明日からだ。
「どう?イケメンいたー?」
「興味無い」
「もーぉ!」
双子なのに(ちなみに一卵性)全く似ていない。
< 6 / 154 >

この作品をシェア

pagetop