ボクの世界は君の笑顔で色づいた
今は高校生になって、ちょっと大人になったから面と向かって悪口とか言われなくなったけど。
でも、曖昧に避けられるのはそれはそれでちょっと辛いものがある。
「うーん、何をひとりで考えてんだろ?」
思わず口に出していた。
「あの…!」
そこで、タイミング良く誰かの声が響いた。
わっ、びっくりした。
もしかして、ボクに話しかけてくれた?
そう思って視線を声の先へ向ける。
そこにはクラスメイトが立っていた。
「次、移動教室ですよ。私、鍵閉めなきゃいけないので…」
なーんだ。
そういうことか。
別に、期待したわけじゃないけどさ。
「あぁごめん、すぐに出るよ!」
周りを見渡したらボクとこの子以外教室にいなかった。
申し訳ないことしたなと思って、慌てて教室を出ようとする。