【改訂版】貴方は悪役令嬢ですよね? ─彼女が微笑んだら─
5【転生ヒロイン】ブリジット
学院長から私のお世話を頼まれたくせに、リシャールってば。
初対面では、蕩けそうに甘い顔で、私に向かってにっこりしたのよ?
「私が生徒会長のリシャール・ルブランです」
あたしの! 下半身直撃のその声は!
大好きな声優さんの美声だった。
これからこの声が、あたしのものになって、どんな甘い言葉を囁くのかと思ったら。
やだ、もぉイッちゃう。
……だったのに!
それに自己紹介はあくまで、生徒会長、だって。
この国の王太子だって、言わないの、たまんなかった。
同じ学院生だよ、って言ってくれたんだよね?
王族だからといっても、遠慮しないでね、だよね?
だったら、あたしは遠慮しない。
……だったのに!
「BB、と書いて、ベベ、って呼んでくださいねっ!」
そう、にっこり笑って言っただけなのよ?
ちょっと勝手に腕は触ったけどさ……
その瞬間だった。
リシャールの背後に居た護衛騎士のアンドレがあたしの手を叩いたの。
パシッ!って。
音ほど痛みはなかったけれど、ビックリして。
自然に涙が出たの。
へ、アンドレどうして? って。
初対面では、蕩けそうに甘い顔で、私に向かってにっこりしたのよ?
「私が生徒会長のリシャール・ルブランです」
あたしの! 下半身直撃のその声は!
大好きな声優さんの美声だった。
これからこの声が、あたしのものになって、どんな甘い言葉を囁くのかと思ったら。
やだ、もぉイッちゃう。
……だったのに!
それに自己紹介はあくまで、生徒会長、だって。
この国の王太子だって、言わないの、たまんなかった。
同じ学院生だよ、って言ってくれたんだよね?
王族だからといっても、遠慮しないでね、だよね?
だったら、あたしは遠慮しない。
……だったのに!
「BB、と書いて、ベベ、って呼んでくださいねっ!」
そう、にっこり笑って言っただけなのよ?
ちょっと勝手に腕は触ったけどさ……
その瞬間だった。
リシャールの背後に居た護衛騎士のアンドレがあたしの手を叩いたの。
パシッ!って。
音ほど痛みはなかったけれど、ビックリして。
自然に涙が出たの。
へ、アンドレどうして? って。