【改訂版】貴方は悪役令嬢ですよね? ─彼女が微笑んだら─
悪役令嬢ユージェニーの真実の愛の相手。
今も鮮やかに思い出せる。
私達は肉体的には清い関係だったけれど、気持ちは確かに結ばれていた。
……ガブリエル・マルタン・シャンドレイ。
彼は、騎士団訓練所で見かけたアンドレ・マルタンの18歳上の兄だった。
◇◇◇
カブリエルに対する贖罪から、せめて、と。
私はアンドレを第1王子のリシャールの護衛に付け、彼が途中で諦めた学生生活を続けさせることにした。
カブリエルから生まれたばかりの弟の話は聞いていた。
四男のアンドレのことだ。
『子沢山の家だから、君には苦労をかけてしまう』
『田舎で、貧乏暮らしをさせるのが辛い』
断罪された自分は二度と王都には顔を出さないから、却ってそれがいいのだからと、怯むガブリエルを口説きおとした。
卒業パーティーは参加者が多くて、王城で開かれる。
王太子妃教育で通い慣れた王城で、何処の警備が手薄で、馬車を待たせていても人目につかない裏口かを把握していたから、そこで待つようにガブリエルには頼んでいた。
今も鮮やかに思い出せる。
私達は肉体的には清い関係だったけれど、気持ちは確かに結ばれていた。
……ガブリエル・マルタン・シャンドレイ。
彼は、騎士団訓練所で見かけたアンドレ・マルタンの18歳上の兄だった。
◇◇◇
カブリエルに対する贖罪から、せめて、と。
私はアンドレを第1王子のリシャールの護衛に付け、彼が途中で諦めた学生生活を続けさせることにした。
カブリエルから生まれたばかりの弟の話は聞いていた。
四男のアンドレのことだ。
『子沢山の家だから、君には苦労をかけてしまう』
『田舎で、貧乏暮らしをさせるのが辛い』
断罪された自分は二度と王都には顔を出さないから、却ってそれがいいのだからと、怯むガブリエルを口説きおとした。
卒業パーティーは参加者が多くて、王城で開かれる。
王太子妃教育で通い慣れた王城で、何処の警備が手薄で、馬車を待たせていても人目につかない裏口かを把握していたから、そこで待つようにガブリエルには頼んでいた。