【改訂版】貴方は悪役令嬢ですよね? ─彼女が微笑んだら─
何を知っているのか分からんが、本物の光の乙女なら、俺様の魔力を感じ取って、目の前に来て自己紹介しないだろ!

クロエから何か聞いてるのか?


「ノワールせんせ、魔王様でしょ?
 すごい力を持っててぇ~素敵~」

「お前は何か勘違いをしている。
 私はまおう、ではなく、まほう、を教えている」


こいつの相手をしている自分が情けない。
こんな阿呆は俺様が処理するまでもない。
生徒をひとり処理するのは簡単だが、それに伴って学校関係書類の消失や家族の記憶改竄やら必要で。
それこそ、面倒くさいからあまりやりたくない。


「ねぇねぇ、ノワールせんせ、あのね……
 あたし、聖なる力持ってるの」


光の乙女の波動など一切持っていない女が縋ってくるので、身体を捻って躱す。
たたらを踏んで女が転んだが、無視して離れた。
阿呆は放っておこうか。




それよりもクロエ・グランマルニエ……


『◯◯◯◯◯◯』


1000年ぶりに俺様は名前を呼ばれた。

俺様の1000年の孤独をあの女なら……


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