【改訂版】貴方は悪役令嬢ですよね? ─彼女が微笑んだら─
あたしの前に一列に並んで、声を揃えて『お願いします!』って、手を差し出してくる感じかな!


だ、れ、に、し、よ、う、か、なっ?
か、み、さ、ま、の、い、う、と、お、りっ!

なんてね、4人並べてやりたいな!




取り敢えず、この場で一番地位の高いシャルルの前に行って頭を下げる。
短くした制服のスカートを両手でつまんで、少しだけ膝曲げて、頭をちょこんと傾けたあたしはめちゃ可愛く見えてるよね。
お互いにまだ若いんだし、学校の中では大袈裟なカーテ何とかは必要無いんだよ。


「はじめまして!
 ブリジット・ビグローと申します!
 BBって書いて、べべ……」

「呼ばないから」

「……へ?」


聞き違えたのかと思った。
だけど、一言だけ返事をしたシャルルの顔には何の表情もなくて。
直ぐに視線を逸らされてジュールに話しかけてる。


「遅いね?」

「もうすぐ、いらっしゃいますよ」

何なん? ふたりで視線絡ませて。
シャルルに対するジュールの表情や言い方、めちゃ優し……
漂う雰囲気はブロマンスって言うより、BLじゃん……


触れてはいけない世界を見た気がして、ちょっと離れた所に居るエイドリアンの方へ行こうとした時に音楽室の扉が開いて。
リシャールとドミニクとアンドレが入ってきて。

やだぁ~、ドミニクだけじゃなかったんだ!
リシャールとアンドレは顔見るの、半月ぶりぐらいじゃない?

やったぁ、ノワール以外の攻略対象者の勢揃いや!
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