【改訂版】貴方は悪役令嬢ですよね? ─彼女が微笑んだら─
私がついた嘘を許さないと。
またもや口火を切ったのは、リシャール。


「ビグロー、君がしたのは完全なる冤罪だよ。
 20年前に王太子の立場に居る者がその罪を犯してね。
 反対に彼は廃太子されて、幽閉されて、その先は想像にお任せするけれど。
 その時、悪役令嬢にされたのは私とシャルルの母だ。
 つまり君が広めていた悪役令嬢なる名称は王妃陛下は勿論のこと、王家に対する侮辱だ。
 加えて君には、それ以外の容疑もかかっている」


ま、まって、待って! 
確かに嘘はついたよ、だけどさ、誰も信じてないんでしょ?
あたしは学院中の笑い者になってたんだよ、それで勘弁してよ!
それ以外の容疑?


「君が必要以上に私達に近付こうとするのは、何故だ?」

「私達の動きを常に監視しているように見受けられました」

「御本人に聞いた話ではブラン先生にも纏わりついているらしいし」

「何を知りたいのか、何を知ってるのか、思わせ振りだよね」

「僕はあんたがそれぞれの事情とか秘密とか、探ろうとしてるように感じたなぁ」

「ビグロー商会は外国に進出する為に、何かを手土産にしようとして?」 


リシャール、アンドレ、ドミニク。
それからシャルル、ジュール、エイドリアンの順番で。
あたしを囲んだイケメン達が話す。
それはあたしに対してじゃない。
真ん中のあたしを置いてきぼりにして、自分達だけで会話をしてる。
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