【改訂版】貴方は悪役令嬢ですよね? ─彼女が微笑んだら─
話を戻すと、召喚されたヒカリに彼等はよろめくの。
本物のライバル登場で、ようやく物語は動き出す、ってわけ。
今までは何もしなくても、攻略対象者達からの好感度は高かったけれど、これからは頭を使わないと減っていく。
ヒカリって可愛いし、頭がいいから、手強くて。 
それはすごく覚えてる。
きっと手間取っている内に、前世の私は途中で死んじゃったんだね……


選択を間違えずに、どう彼等を攻略していいか、わからない。


でも、わからないからこそ。
これからが面白いのよ。


 ◇◇◇


残っていたノワールが教室から出ていって、私達はふたりだけになった。


「ねぇ、ブリジットさん。
 貴女はリシャール狙いね?」

「いいえっ!王太子殿下はクロエ様のご婚約者様ですしっ!」

「気にしないで。協力するから」

「へ? 協力してくれるの?」

「その代わり、貴女……私にも協力してね?」


服従って言葉は警戒されるから今は使わないけれど、そう言うことよ。
それから貴女、顔は可愛いんだから、へ?って、言うのは止めておこうね?
バカ丸出し、だからね。



「私には、リシャールはお子ちゃま過ぎて。
 女として好きなのは別のひとなの」
 

私の本命は……国王陛下のアンリ。
アンリとは19歳の年の差だけど、初恋相手の弟のアンドレと将来的に不倫する王妃に傷付けられる国王陛下。

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