甘く落ちて、溶けるまで

こんなこと、さすがに自分で言いたくはないよ?



でも、毎日毎日鏡を見ていたら自覚しないわけないよね。



じゃあ、なんでこんな地味子やってるの?って思うと思う。



それは、パパが過保護すぎるが故の結果。



髪は絶対黒髪で、目が悪ければコンタクトじゃなくて眼鏡にすること。



制服も校則通りにしっかりと着て、間違ってもスカートを折るなんてことはしちゃダメだ。



…なんて言うものだから、オシャレの“オ”の字もない姿になってる。



まったく、高校生にもなってどれだけ心配性なのって話。



私のことを思ってくれているのはわかるけど、さすがにこれはないでしょ。



おかげですっかり“大人しい子”の仲間入り。



実は私、高校生活の登校初日に風邪をひいて5日間休んじゃっててさ。



やっと登校できるってなった日に教室に入ったら、みんなが私をギョッとした顔で見てきたの。
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