甘く落ちて、溶けるまで

吐息がかかって、あと数センチ動けば椿くんの唇と耳が触れてしまいそう。



「っな…!?」



こ、この人朝っぱらから何言って……!?



一人で焦ってテンパっていると、椿くんはまたくすくすと笑い始める。



「有栖さん、顔真っ赤。保健室行った方がいいんじゃない?」



「〜っ!よけーなお世話です…!!」



さいあく。



私を振り回す椿くんも、それにまんまとハマっちゃう私のことも。



どっちもどっちで、同じくらい許せない。



なんか椿くんを陥れることとかできないないかな…。



こうなったら、椿くんをギャフンと言わせないと気が済まない。



うーん…椿くんをギャフンと言わせる方法…。



「っあ…!」



数十秒考えた後にいい考えが思い浮かんできて、ピンと来た。



私、いい方法思いついたかも。



「あ!…って、いきなりどうしたの?」



「ふふっ、内緒です」
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