甘く落ちて、溶けるまで
もう、なんなのっ…?
椿くんは一体、私をどうしたいわけ…?
これまでの椿くんとは、何かが違う。
何が違うのかと言われたら、明確なものはわからない。
でも…明らかに、意地悪さが格段と上がっているのは確か。
1ミリも思ってもいないくせに「可愛い」とか言っちゃって。
椿くんをドキッとさせるはずだったのに、私が責められてどうするの…!?
抵抗したいのは山々だけど、今なにかしても椿くんの攻撃を上手くかわせる自信が無い。
っ、悔しい…。
いつの間にか瑠奈ちゃん呼びになっていることも。
ちょっとの変化じゃ、ただのからかい対象としか見てもらえないのも。
ぜんぶぜんぶ、悔しくて仕方がない。
だから、反撃のつもりで椿くんをキッと睨んだ。
「…その対抗心むき出しな顔もそそられるんだけど。やっぱり、瑠奈ちゃん面白い」