甘く落ちて、溶けるまで

もう、なんなのっ…?



椿くんは一体、私をどうしたいわけ…?



これまでの椿くんとは、何かが違う。



何が違うのかと言われたら、明確なものはわからない。



でも…明らかに、意地悪さが格段と上がっているのは確か。



1ミリも思ってもいないくせに「可愛い」とか言っちゃって。



椿くんをドキッとさせるはずだったのに、私が責められてどうするの…!?



抵抗したいのは山々だけど、今なにかしても椿くんの攻撃を上手くかわせる自信が無い。



っ、悔しい…。



いつの間にか瑠奈ちゃん呼びになっていることも。



ちょっとの変化じゃ、ただのからかい対象としか見てもらえないのも。



ぜんぶぜんぶ、悔しくて仕方がない。



だから、反撃のつもりで椿くんをキッと睨んだ。



「…その対抗心むき出しな顔もそそられるんだけど。やっぱり、瑠奈ちゃん面白い」
< 31 / 39 >

この作品をシェア

pagetop