甘く落ちて、溶けるまで
好きに、なりかけているのかもしれない…。
……やだ。
やだやだやだ…!!
ぜったい絶対、認めるもんか。
「…瑠奈ちゃん、なんか怒ってる?」
「怒ってないし…!」
「いや、怒ってんじゃん」
可笑しそうに笑う君が、夕日に照らされて輝く。
だけど、私の瞳にはそんなオプションも必要ないくらいにフィルターがかかってるの。
かっこよく、見えちゃうの。
誰か…誰か、私を引っ張り上げて。
「なんでか知らないけど、機嫌直してよ。ね?可愛い瑠奈ちゃん?」
椿くんの甘いセリフに落ちそうになってる私を、引き止めてよ。