君の隣でみつける愛
教室の扉を開く。

まだ、生徒はまばらだった。

黒板に座席表が、貼られており確認しからいちばん後ろの窓側から2列目の席に座る。
斜め前の席の本を読んでいた子がこちらを向き

「初めまして、私は平泉優美です。よろしくね。」

肩より少し長い黒く綺麗な髪に、ぱっちりとした大きな瞳を持つ女の子。
すごく可愛い子だな。

「私は、佐倉愛花です。よろしくね」

「よろしく、愛花ちゃん」

「うん、よろしく」

初めましての子しかいないので、少し緊張していたが、どうにかなりそうだな。よかった。優美ちゃんと話していると

教室の前側の扉が開き、30代くらいの女の人が入ってきた。

先生かな?

女の人は黒板に今日の日程を書いていき、書き終わると振り向いて

「このクラスの担任の仲里里奈です、よろしくね。今日はこの日程通りに動いてね」

数分後

「じゃあ、みんな体育館に移動します」

全員が席を立ち廊下にむかう。
私の、隣と前、そして後ろの席はまだ来ていなかった。

どんな人なんだろうな

教室をでて、廊下に並ぶ。

体育館の前で列が止まった。

「新入生入場」

という声がかかり、1組から順に体育館に入っていく。

生徒全員か席に着くと、入場がはじまった。

そして、新入生代表挨拶になり、壇上にひとりの男子生徒が上がった。


息を呑んだ

ほんとうに同じ人間なのだろうか、

そう、疑ってしまうほどととのった容姿をした人だった。


見惚れている間に挨拶が終わった。

退場の号令がかかる。



教室に戻って席に着くと

「隣の席、よろしくね」

先程、挨拶をしていた生徒が隣に座っていた。
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