君の隣でみつける愛
1年生

今日は本を持ってくるのを忘れたから国語の教科書を読みながら時間をつぶそうかな

そう思いながら、椅子をひく

チラりと視界に入ってきた参考書の内容にびっくりして固まった

「佐倉?」

不思議そうにこちらを覗き込む瞳

「ぜんぶ、すうじだからびっくりした」

しかも、高校では習いそうにないアルファベットものっていた

「数学苦手」

そう言うとフハッとふきだされた

いっけんクールそうな雰囲気があるのによく笑う人だなこれは、絶対モテてたな、女の子が放っておくわけない

というか、彼女いないのかな?

「教えようか?」

「へ?」

「数学」

思ってもいなかった言葉に変な言葉が出てしまった。

「いいの?私としてはすごい嬉しいんだけど」

「うん、人に教えたほうが理解できるから」

「よろしくお願いします」

「うん、こちらこそ。
どこわかんないとかある?」

入学して1ヶ月がたとうとしているので、それなりに解らないところも増えていっている。

「えっと、じゃあ78ページの例題3教えてもらっていい?」

「いいよー、ここは…」

「ありがとう、やっと理解できたよー」

どれだけ、教科書を読んでも分からなかったところが数分で解けてしまった。

「佐倉は覚えはやいから、教えがいあるよ。いつでも聞きに来ていーよ」

「容赦なく行くようになるよ?いいの?」

「うん、いつでもおいで」

それから、部活の朝練がないときや時間が合うときに勉強を教えてもらった。
杠くんのおかげでいちばん最初のテストもそれなりの点数を取れた。

まあ、杠くんは文句なしの満点なんだけど

「じゃ、最後国語返すよ〜」

「陸哉ーあんた教師泣かせすぎー」

「手抜くほうが失礼じゃないんですか?」

杠くんはなんと、全教科満点をとったみたいだ。

うらやましすぎる、杠くんに教えてもらい苦手な数学も何とか、赤点は免れたがほんとに危うかった
「つぎー、聖ー」

みんなが、次々に立ち上がる。
返却をしてもらった子たちの反応は様々だ。

私は、国語は得意で今回のテストも自信はある

「愛花ー」

「はい」

「愛花は国語ほんとに得意なんだね。
陸哉と並べるの愛花だけかも」

「ありがとうございます、国語しかできないんですけどね。」

「先生、俺のときと態度違くね?」
私が席につくと隣から声がかかった。
もちろん、杠くんだ

「全教科で満点とられたらねー、めんぼくまるつぶれだからじゃない?」

「取れるのに取らないわけ無くない?」

ごくあまり前のように言い放った

「そんなセリフ私も言ってみたいなー」

杠くんは部活でもなんでも手を抜くことがない
いつも、なににたいしても全力で取り組むひとだ。

誰よりも、はやく学校にきて朝練前もシュート練やパスの練習をしている。

すなおに、すごいと思うし、尊敬するな
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