再会した財閥御曹司は逃げ出しママと秘密のベビーを溺愛で手放さない~運命なんて信じないはずでした~
再会は偶然で必然
「おはよう」
「おはようございます」

週明け、月曜の朝。
土曜日も一日一緒にいたせいで休み明けの気がしないのだけれど、今日からまた新しい一週間が始まった。

「疲れがでていないか?」
「ええ、思ったよりも元気です。副社長は大丈夫ですか?」
「ああ、俺は平気だ」

確かにいつも鍛えているって自慢しているから、体力はありそう。
アメリカでもかなりハードな勤務をこなしていたって言うし、パーティー1つで疲れたりはしないのかもしれない。

「ところで、お母さんの具合はどうだ?」
「ええ、翌日には起き上っていましたから大丈夫だと思います」

土曜日、実家まで送ってもらう車の中で母の体調が悪いらしいと話した記憶がある。
尊人さんはそれを覚えていてくれたんだ。

「君も無理しないように。仕事が落ち着いていれば午後休をとってもいいから」
「はい、ありがとうございます」

幸いなことに母はすぐ元気になり、大事には至らなかった。
もともと体が弱い人だから心配ではあるけれど、今のところ自分で生活できているから心配はないと思う。
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