再会した財閥御曹司は逃げ出しママと秘密のベビーを溺愛で手放さない~運命なんて信じないはずでした~
「仕事はどうするつもりですか?」
「大丈夫だ。今日は大きな会議もないし、来客も外出も予定されていない。もともと週末に仕事を入れた代わりにのんびりデスクワークをするつもりだったんだ。半日くらい外出したって問題ない」

そう言われれば、今日のスケジュールは珍しく余裕があった。
週末に仕事を入れたからその代わりかなと思っていたけれど・・・

「ほら、行くぞ」
「待ってください。お迎えなら私一人でいけますから」

職場が変わってしまったせいで移動の時間はかかるけれど、どうしても困ればタクシーを使えばいい。
こんなことで忙しい尊人さんの手を煩わせるわけにはいかない。

「こんな時に遠慮なんてするんじゃない。車で行けばすぐだし、子供だって熱があるんだろ?移動時間は短い方がいい」
「それはそうですが・・・」
「ほら、行くぞ」

結局押し切られ、私は尊人さんと二人でMISASAを後にした。
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