再会した財閥御曹司は逃げ出しママと秘密のベビーを溺愛で手放さない～運命なんて信じないはずでした～
尊人さんと絢子さんが再会し、偶然私もその場に立ち会ってしまった日。
その日から私の周囲で不思議なことが起きるようになった。

まず、公園で遊んでいた凛人が見覚えのないジュースを持ってきた。

「そのジュースはどうしたの？」
と聞くと
「しらないおねえちゃんにもらった」
と答えた。

もちろん未開封の物だったけれど、気持ちが悪くて飲まずに処分した。
そんな事があって以来私もできるだけ凛人から目を話さないようにして、凛人にも知らない人から物をもらってはダメよと教えた。
これで終わったものと思っていたのだが、その後も買い物や外遊びの場での凛人への声かけは続いた。

「まま、しらないひとにごあいさつしたらだめなの？」
「そう、お外に出たらいつもママの隣にいて、しらない人とはしゃべらないでね」
「はーい」

本当は子供にこんなことは言いたくない。
けれど気味が悪くて、私もだんだんと神経質になっていった。
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