再会した財閥御曹司は逃げ出しママと秘密のベビーを溺愛で手放さない~運命なんて信じないはずでした~
「どう、何かできそう?」
「ええ、パスタでいいかしら?」
「ああ」

お米もパンもあるけれど、私はパスタを選んだ。
ちょうど冷凍してあったイカの塩辛とストックしてあった生クリームがあったから、シーフードのクリームパスタを作ることにした。
後はトマトとチーズをカプレーゼにして、凛人の好きなフライドポテトも揚げてやろう。

「まーまー」
ちょうどお湯を沸かしたタイミングで、凛人の泣き声が聞こえてきた。

さすがに広い家だから、私の姿が見えなくて泣いてしまったらしい。

「はいはい、ちょっと待ってね」
「いいよ、俺が見てくる」
とりあえず火を止めてリビングへ向かおうとすると、尊人が動いた。

「でも、泣き出したが機嫌が悪くなって」
「大丈夫、困ったら呼ぶよ」

最近自己主張が強くて怒り出すとなかなか機嫌のなおらない凛人には私も手を焼いている。きっと尊人も手こずるだろうと心配したが、止める間もなく尊人は行ってしまった。
< 135 / 167 >

この作品をシェア

pagetop