再会した財閥御曹司は逃げ出しママと秘密のベビーを溺愛で手放さない~運命なんて信じないはずでした~
「仕事は大丈夫なの?」
「ああ、心配ない」
金田法律事を出てマンションに帰ろうとすると、途中まで尊人が迎えに来てくれた。
「慎之介、何か言っていたか?」
「ええ、おめでとうと言ってもらいました」
「そうか、告白とかされなかっただろうな?」
「え?」
「されたのか?」
「いえ、それは・・・」
私も相当嘘が下手だ。
「ったく、慎之介の奴」
「冗談だから、本気にしてはダメよ」
「当たり前だ。本気ならすぐに顧問契約を切る」
「もう、尊人ったら」
冗談とわかっていても、さっき絢子さんの話を聞いたばかりの私は笑えなかった。
「なあ、今夜は2人でデートしようか?」
「でも、凛人が」
「凛人はうちの母さんにお願いしよう。きっと母さんも喜ぶから」
「いいのかしら」
「大丈夫、俺が話すから」
実は、尊人との結婚が決まり両家の顔合わせの席で驚くことがあった。
まったく接点なんてないと思っていた母さんと尊人のお義母様が幼馴染で、お義父様とも面識があることがわかったのだ。
そして、お義母様は数か月前の船上パーティーで私に話しかけてくださり、背の高い私のコンプレックスに助言をしてくださったあの時の婦人でもあった。
「たまには2人で出かけるのもいいだろ?」
「そうね」
会えなかった5年を埋めるように、私達は時間を重ねる。
凛人も私もたくさんの愛に包まれて幸せに暮らしている。
この先新しい命も加わり色んな事が起きるだろうけれど、私はどんなことがあっても2度と尊人の手を離すことなく生きていこうと心に誓っていた。
fin
「ああ、心配ない」
金田法律事を出てマンションに帰ろうとすると、途中まで尊人が迎えに来てくれた。
「慎之介、何か言っていたか?」
「ええ、おめでとうと言ってもらいました」
「そうか、告白とかされなかっただろうな?」
「え?」
「されたのか?」
「いえ、それは・・・」
私も相当嘘が下手だ。
「ったく、慎之介の奴」
「冗談だから、本気にしてはダメよ」
「当たり前だ。本気ならすぐに顧問契約を切る」
「もう、尊人ったら」
冗談とわかっていても、さっき絢子さんの話を聞いたばかりの私は笑えなかった。
「なあ、今夜は2人でデートしようか?」
「でも、凛人が」
「凛人はうちの母さんにお願いしよう。きっと母さんも喜ぶから」
「いいのかしら」
「大丈夫、俺が話すから」
実は、尊人との結婚が決まり両家の顔合わせの席で驚くことがあった。
まったく接点なんてないと思っていた母さんと尊人のお義母様が幼馴染で、お義父様とも面識があることがわかったのだ。
そして、お義母様は数か月前の船上パーティーで私に話しかけてくださり、背の高い私のコンプレックスに助言をしてくださったあの時の婦人でもあった。
「たまには2人で出かけるのもいいだろ?」
「そうね」
会えなかった5年を埋めるように、私達は時間を重ねる。
凛人も私もたくさんの愛に包まれて幸せに暮らしている。
この先新しい命も加わり色んな事が起きるだろうけれど、私はどんなことがあっても2度と尊人の手を離すことなく生きていこうと心に誓っていた。
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