再会した財閥御曹司は逃げ出しママと秘密のベビーを溺愛で手放さない~運命なんて信じないはずでした~
うわ、素敵。
見た瞬間思わず声が出そうになって、やっとの所で飲み込んだ。

こんな人が現実にいるのねってくらいに整った顔。
男性にしては色白だけど、存在感のある口元と意志の強そうな眼差しが凛々しさを滲ませる。
それに背もかなり高くて、170センチある私が見揚げるくらいだから、185センチはありそう。
どこから見ても端正な顔立ちの爽やかなイケメン。
私はしばし男性に見惚れてしまった。

「ケガはありませんか?」
「え、ええ」

再びかけられた声で我に返り、自分が恥ずかしくなって一歩足を引いた時、

バシャッ。

すぐ横の道路を走る車によって巻き上げられた水しぶき。
このままでは自分にかかるとわかったけれど、動けなかった。
当然のように雨水は私を直撃し、私は頭からずぶぬれになってしまった。
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