再会した財閥御曹司は逃げ出しママと秘密のベビーを溺愛で手放さない~運命なんて信じないはずでした~
「後3年もすれば凛人も小学校だろ?どうせならここから通った方がいいじゃないか。今のままじゃ学校から帰った凛人が1人ぼっちになるんだぞ」
「それはそうだけれど・・・」

私だってそのこと考えないわけではない。
小学校併設の放課後学童園は定員オーバーでなかなか入れないって言うし、困ったなとは思っていた。
実家の近くに引っ越しをしようかなとか、勤務をパートタイムにしてもらうようにお願いしようかなとか考えていたけれど・・・

「ここなら母さんはいるし、いざとなれば俺も見てやれる」
「あんたは無理でしょ」
医者の徹は忙しくて当てにできない。

「俺、小児科に行くつもりだから凛人が病気になった任せろ」
「はあー」
なるほど。

って、徹が小児科医ねえ。
子供好きだから、案外向いているのかもしれない。

「すぐに答えを出す必要はないから、姉ちゃんも考えておいてくれ」
「うん、わかった。徹、ありがとう」

自らシングルマザーを選ぶ以上、人を頼って暮らすことはしないでおこうと心に決めていた。
もちろん助けてもらわないといけないことはたくさんあるけれど、基本自分で生きていこうと思ってる。
そういう意味で実家に帰って生活することは想定もしていなかったが、凛人のことを思えば考えてみないといけないだろうな。
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