再会した財閥御曹司は逃げ出しママと秘密のベビーを溺愛で手放さない~運命なんて信じないはずでした~
忘れられない人 side尊人
「おお、慎之介。こっちだ」

筋トレマシーンに座りながらやってきた友人に手を振った。

「お待たせ」
「いや、俺も今来たところだ」

ここは都内でも有名な高級スポーツクラブ。
エステやスパ、ホテルまで併設していて人気の場所だ。

「尊人とこういう場所で会うようになるなんて、俺達も年だな」
「まあな」

金田慎之介は幼稚園以来の友人で、うちの会社の顧問弁護士。
こいつとは大学まで一緒だったから、20年くらいは一緒にいたことになるだろうか。
まさに人生のほとんどを共に過ごした同志だ。
その分気心も知れているし、俺の本性を知っているのもこいつくらいなものかもしれないな。

「そう言えば、先日の飲み会は事務所のみんなも喜んでいた。ありがとう」
「どういたしまして。これからも顧問弁護士として世話になるんだから、飲み代くらいはお安い御用だ」
それに、俺にも下心があってのことだしな。とは言わないでおこう。
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