再会した財閥御曹司は逃げ出しママと秘密のベビーを溺愛で手放さない~運命なんて信じないはずでした~
自分一人で泊まるつもりで予約した客室のベットルーム。
まさかここで女性と愛し合うことになるとは思ってもみなかった。

「ごめんな」
勢いでこうなってしまったことに後悔しているかもしれない彼女に向けた言葉。

それでも、一度火がついてしまった体と心は止めることはできなかった。
その日の俺が優しい男だったのかと聞かれればきっとそうではなかったと思う。
本能のままに彼女を抱いたと自覚がある。

何度も何度も彼女を求め、彼女もそれに応えるように体を預けてくれた。
きっと俺たちは相性に良い男女なんだと思えるほどに、幸せな夜だった。

「沙月、君が好きだよ」
何度目かの絶頂を迎えた後、俺は彼女の耳元でささやいいた。
「私も、尊人が、好き」
泣きすぎてガラガラの声で彼女も応えてくれた。

この夜、お互いのことを知らぬまま俺たちは結ばれてしまった。
もちろん、そのことを悔いるつもりは無い。
俺自身彼女に惹かれたから関係を持ったわけだし、この先も再び会いたいと思っていた。
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