再会した財閥御曹司は逃げ出しママと秘密のベビーを溺愛で手放さない~運命なんて信じないはずでした~
私の職場である『金田法律事務所』は都心にあり、大手ではないけれど3代続く歴史ある事務所。
今は三代目である金田慎之介さんが所長を務めている。
慎之介先生とそのお父様である大先生のほかに数人の弁護士と、20人ほどのスタッフが働くアットホームな職場は、残業ができず急なお休みをお願いすることもある私にとっては働きやすい職場と言える。
「沙月ちゃんおはよう」
「おはようございます、慎之介先生」
いつも私の次にやって来るのが所長である金田慎之介さん、35歳。
外見は、濃紺のスーツに銀縁の眼鏡。
身長は170センチと大きくはないが、程よく筋肉の付いたいい体をしている慎之介先生は一見して仕事ができるヤングエグゼクティブ。
だからと言って気難しそうな印象を与えている訳ではなくて、温和で優しそうな顔をしている。
「息子さんのお誕生日どうだった?喜んでくれた?」
「はい、おかげさまで大喜びでした。ありがとうございました」
昨日は慎之介先生の配慮で、凛人の誕生日を祝う準備のために午後休をもらった。
さすがに申し訳ないと何度か断ったけれど、周りのスタッフにも「いいから帰りなさい」と言ってもらい甘えることにしたのだ。
「小さな頃の記憶って、子供はわりと覚えているものだよ。だから折々の記念日は大事にしないとね」
「はい」
まるで子育ての先輩のようなことを言う慎之介先生だけれど、自身は独身で当然子育て経験はない。
ただ、弁護士として色々な人や家族を見てきているから、その言葉には重みがある。
決して押しつけがましくはないけれど、説得力があって納得させられてしまうことも多い。
今は三代目である金田慎之介さんが所長を務めている。
慎之介先生とそのお父様である大先生のほかに数人の弁護士と、20人ほどのスタッフが働くアットホームな職場は、残業ができず急なお休みをお願いすることもある私にとっては働きやすい職場と言える。
「沙月ちゃんおはよう」
「おはようございます、慎之介先生」
いつも私の次にやって来るのが所長である金田慎之介さん、35歳。
外見は、濃紺のスーツに銀縁の眼鏡。
身長は170センチと大きくはないが、程よく筋肉の付いたいい体をしている慎之介先生は一見して仕事ができるヤングエグゼクティブ。
だからと言って気難しそうな印象を与えている訳ではなくて、温和で優しそうな顔をしている。
「息子さんのお誕生日どうだった?喜んでくれた?」
「はい、おかげさまで大喜びでした。ありがとうございました」
昨日は慎之介先生の配慮で、凛人の誕生日を祝う準備のために午後休をもらった。
さすがに申し訳ないと何度か断ったけれど、周りのスタッフにも「いいから帰りなさい」と言ってもらい甘えることにしたのだ。
「小さな頃の記憶って、子供はわりと覚えているものだよ。だから折々の記念日は大事にしないとね」
「はい」
まるで子育ての先輩のようなことを言う慎之介先生だけれど、自身は独身で当然子育て経験はない。
ただ、弁護士として色々な人や家族を見てきているから、その言葉には重みがある。
決して押しつけがましくはないけれど、説得力があって納得させられてしまうことも多い。