再会した財閥御曹司は逃げ出しママと秘密のベビーを溺愛で手放さない~運命なんて信じないはずでした~
「この申し出を断れば、尊人はもっと強引な手に出るかもしれないよ。今はまだうちの事務所からの出向って形だから、僕の方も口が出せるけれど。うちの事務所から離れてってことになれば、僕は何もしてあげられなくなる」
「さすがにそんなことしないと思います」
まじめで誠実な尊人さんがそんな悪辣な手を使ってくるとは思えない。
「確かに普段の尊人ならありえないけれど、非常事態となれば話は別だ」
「非常事態?」
私は首を傾げた。
「ああ見えて尊人は頑固だよ。優しそうに見えて絶対に譲れないってものには強引だし、手に入れると決めたらあきらめない。何しろ三朝の御曹司だからね、それだけの力も持っている」
「ええ、確かに」
敵には回したくない人だと思う。
でも、そもそも5年も前にたった数ヶ月付き合っただけ私にそんなに執着するのが信じられない。
一時の気の迷いなんじゃないかと思うのだけれど・・・
「それに、沙月ちゃんにも尊人に知られたくない事があるんじゃないの?」
「え?」
これはきっと、凛人のことを言われているんだろう。
尊人さんと親しい慎之介先生なら私と尊人さんが付き合っていたことを知ったとしてもおかしくなない。その上で、凛人の年齢と外見を見れば、関連性を疑っても不思議ではないだろう。
「僕からは何も言うつもりは無いよ。でも、いつの日か知られることにはなるはずだ。いつまでも隠し通すってことは不可能だろうし、本人のためにもならないからね」
「はい」
弁護士として色々な家族を見ていたからこそ、慎之介先生の言葉は重い。
普段説教なんてしない人だけに、その言葉は私の心にも響いた。
確かに、いつか凛人に真実を伝えないといけない日が来るのかもしれないな。
「さすがにそんなことしないと思います」
まじめで誠実な尊人さんがそんな悪辣な手を使ってくるとは思えない。
「確かに普段の尊人ならありえないけれど、非常事態となれば話は別だ」
「非常事態?」
私は首を傾げた。
「ああ見えて尊人は頑固だよ。優しそうに見えて絶対に譲れないってものには強引だし、手に入れると決めたらあきらめない。何しろ三朝の御曹司だからね、それだけの力も持っている」
「ええ、確かに」
敵には回したくない人だと思う。
でも、そもそも5年も前にたった数ヶ月付き合っただけ私にそんなに執着するのが信じられない。
一時の気の迷いなんじゃないかと思うのだけれど・・・
「それに、沙月ちゃんにも尊人に知られたくない事があるんじゃないの?」
「え?」
これはきっと、凛人のことを言われているんだろう。
尊人さんと親しい慎之介先生なら私と尊人さんが付き合っていたことを知ったとしてもおかしくなない。その上で、凛人の年齢と外見を見れば、関連性を疑っても不思議ではないだろう。
「僕からは何も言うつもりは無いよ。でも、いつの日か知られることにはなるはずだ。いつまでも隠し通すってことは不可能だろうし、本人のためにもならないからね」
「はい」
弁護士として色々な家族を見ていたからこそ、慎之介先生の言葉は重い。
普段説教なんてしない人だけに、その言葉は私の心にも響いた。
確かに、いつか凛人に真実を伝えないといけない日が来るのかもしれないな。