再会した財閥御曹司は逃げ出しママと秘密のベビーを溺愛で手放さない~運命なんて信じないはずでした~
「背がお高くてスタイルもいいから、スタイリッシュでマーメイドラインのものにしましょうか」
「はあ」

連れてこられたのは、東京銀座の中心にあり私でさえ知っている有名ブランドショップ。
高級感漂う店内の奥の個室へと案内されると、すぐに数人の女性たちに囲まれてしまった。

「背中が大きく開いていると後ろ姿がとてもきれいですし、まだお若いからミニ丈も映えますよ」
言いながら、スタッフらしき女性たちが何点ものドレスを私の前に並べてくれる。

「あの、ミニ丈はちょっと。それにあまり露出が多い物も好みません。できるだけシンプルに無難にお願いします。仕事の席ですので」
「そうですか、承知しました」
あくまでも秘書として参加するのだと強調して選びなおしてもらうことにする。

それからしばらくして再び並べられたのは爽やかなグリーンと、深いブルードレス。
どちらも細身のデザインだけれど、フレンチスリーブでかわいらしい印象のグリーンに対してブルーのドレスはノースリーブでデコルテは広く開いてはいるが大き目のバラの飾りが胸元に施されていてあまり露出感のないデザインになっている。
< 81 / 167 >

この作品をシェア

pagetop