再会した財閥御曹司は逃げ出しママと秘密のベビーを溺愛で手放さない~運命なんて信じないはずでした~
数百人のゲストを乗せていた船が到着すれば乗降の客で混雑するのはわかり切ったこと。
搭乗時のようにチェックインの手続きがない分行列ができることは無いが、入り口はごった返している。
困ったな。急いでここから出たいんだけれど・・・
そう思っても人をかき分ける訳にもいかず、前の人が進むのを待つしかない。
早く進まないかなあと思いながら流れに身を任せていたその時、
「オイッ」
苛立たしげな声が聞こえ、腕をつかまれた。
「え、あっ・・・尊人さん」
そこに現れたのは怖い顔でこちらを睨む尊人さん。
付き合っていた時から通してもここまで鬼気迫る表情は見たことがない。
どうやらこれは、相当ご立腹の様子。
「何をしている?」
「えっと・・・」
「お前は俺の連れじゃないのか?」
「それはそうですが・・・」
「勝手に逃げるな」
え、
「キャー」
思わず声が出た。
だって、尊人さんがいきなり私を担ぎ上げたのだ。
まるで米俵でも担ぐように肩に私を乗せ、人ごみの中を進む。
当然のようにその異常な光景に近づこうっていう人はおらず、進行方向には人の除けた道ができていく。
私は大勢の人の注目の中見世物のように肩に担がれて下船することになった。
搭乗時のようにチェックインの手続きがない分行列ができることは無いが、入り口はごった返している。
困ったな。急いでここから出たいんだけれど・・・
そう思っても人をかき分ける訳にもいかず、前の人が進むのを待つしかない。
早く進まないかなあと思いながら流れに身を任せていたその時、
「オイッ」
苛立たしげな声が聞こえ、腕をつかまれた。
「え、あっ・・・尊人さん」
そこに現れたのは怖い顔でこちらを睨む尊人さん。
付き合っていた時から通してもここまで鬼気迫る表情は見たことがない。
どうやらこれは、相当ご立腹の様子。
「何をしている?」
「えっと・・・」
「お前は俺の連れじゃないのか?」
「それはそうですが・・・」
「勝手に逃げるな」
え、
「キャー」
思わず声が出た。
だって、尊人さんがいきなり私を担ぎ上げたのだ。
まるで米俵でも担ぐように肩に私を乗せ、人ごみの中を進む。
当然のようにその異常な光景に近づこうっていう人はおらず、進行方向には人の除けた道ができていく。
私は大勢の人の注目の中見世物のように肩に担がれて下船することになった。