秘密の授かり出産だったのに、パパになった御曹司に溺愛し尽くされています
私が宮森さんから聞いた話とは違うと秋人に伝えると、彼は事情を一から説明してくれた。
秋人の兄である薫さんが亡くなったことで、婚約者であった雪平さんと秋人が婚約する話が持ち上がったこと。
そして秋人と当時付き合っていた私が邪魔になり、無理やり別れさせたことなど……。
一通り話した彼は、私に深く頭を下げた。
「結愛ひとりに背負わせてしまって悪かった。すべて俺が君を巻き込んでしまった」
「秋人……顔をあげてほしい。秋人は悪くないから……もう、辞めよう」
秋人を恨んだことなど一度もない。
私も身ごもって生活が一変したけれど、秋人も激動の時間を過ごしたはずだ。
こうして包み隠さず事情を話してくれたことで、さらに彼への信頼が厚くなる。
私たちは互いに苦しんだ。もうこれ以上、自分たちを責めるのはやめようと告げた。
すると顔を上げた秋人は、熱い瞳で私に訴えかける。
「……結愛、あやめちゃんを産んでくれて本当にありがとう。これからは一緒に三人で暮らしたい」
「秋人……」