秘密の授かり出産だったのに、パパになった御曹司に溺愛し尽くされています
訪問者

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翌日、私はあやめを保育園に送り届け、朝八時には『貴船フラワー』に出勤した。

すでに店頭には同僚が数人出勤しており、今朝入荷してきたばかりの花の手入れを行っていた。
市場の花たちは簡易的な梱包で送られてくるため、大体が水分が不足した状態だ。
店に届いた時点で茎を切ったり叩きを素早く行い、一秒でも早く水を吸わせなければならない。

「結愛ちゃんおはよう! ここは私たちがやっておくから、在庫の水替えを進めておいてくれる?」

「承知しました。急ぎますね」

「ありがと!」

入荷した花の手入れも重要だけれど、すでに今日まで店頭に並んでいる花たちの水替えと水やりも同時並行で行っていく。

これらの花たちを綺麗にディスプレイし、開店時間である十時に間に合わせるのがとても大変なのだ。

すると、少し遅れて出勤してきた山根さんも、一緒に水替えを行ってくれることになった。

山根さんには昨日だいぶお世話になってしまった。

ホテルで秋人と遭遇し、身バレしないよう搬入を代わってもらったうえに店舗まで送り届けてもらった。

体調不良と嘘を言ったから、彼女がホテルにとんぼ返りする際もとても心配させてしまったし。

ただ、今は時間との勝負。お礼を言うのは後だ。

しばらくそれぞれが黙々と作業していたけれど、大体めどがついてきて雑談をする余裕も出てきた。

「――結愛ちゃん、体調はあの後大丈夫だった? 無理させちゃってごめんね」
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