秘密の授かり出産だったのに、パパになった御曹司に溺愛し尽くされています

夢のような言葉に、思わず息を吞む。

嬉しくて仕方ないけれど、同時に大きな不安が私を襲った。

「で、でも……秋人のお父様や、葛城堂の人たちは許してくれないんじゃないの」

「例えあいつらがどんなふうに俺たちを思っていたとしても、俺がふたりを絶対に守り抜いて見せる。もし……本当に許してもらえず、結愛が苦しむのなら俺は迷わず葛城堂を捨てるよ」

秋人の力強い言葉に、全身が熱くなった。

「秋人」

「俺の大切なものは、愛する結愛と……俺たちの子供である、あやめだ」

秋人はまっすぐ私を見て、そう言い切る。

目の前にいる彼は、今まで見たどんな彼よりも、輝いて見えた。

秋人は、力強くも温かい人だ。

いつも底なしの愛で包んでくれて、私に勇気をくれる。

私は、この人とならこれから降りかかるどんな困難でも、乗り越えてゆけるのかもしれない。

「……秋人。私、あなたのことを心から愛してる」
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