秘密の授かり出産だったのに、パパになった御曹司に溺愛し尽くされています

自然と言葉が零れた。

笑みが溢れ、胸が熱くなる。

愛してる。

秋人を愛している。

たったそれだけの言葉なのに、全身が幸せに染まった。

愛している人に愛していると伝え、自分の心が喜びで震えているのが分かる。

秋人の厳しかった表情が、優しく朗らかな笑みに変わっていた。

「俺もだ、結愛。君を心から愛してる。今も、これからも……ずっと」

私が笑いかけると、一歩歩み出た彼は、もう一度優しく体を包み込んでくれた。

ほんのわずかにむず痒い気持ちになる。

この温もりを、私はどれだけ恋焦がれていただろう。

愛する人の腕の中で幸せを噛みしめる。

私たちは自然と体を離し、引き寄せられるように口づけを交わした。

淡く雪のようなキスは、胸の深い部分にまで染み入ってくる。

「今まで生きてきた中で、一番幸せなクリスマスイブだよ」
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