秘密の授かり出産だったのに、パパになった御曹司に溺愛し尽くされています
完成
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年が明け、お正月のおめでたいムードが過ぎた、一月初旬。
銀座から遠くない場所にある、東京都が管理する文化財庭園へ秋人とやってきた。
今日、私たちは三年以上ぶりにデートをしている。
門から入って並木道を歩きながら、私は澄んだ空気を肺いっぱいに吸い込んだ。
「すぅ……はぁーー」
「ずいぶん盛大だな」
隣に立っていた秋人が、柔らかく微笑みながら、ふわりと私の頭を撫でる。
もう二十六だというのに、ちょっと大人げなかったかな。
「だって……ここ、本当に空気が綺麗だから」
「ああ、不思議だな。近くに大きなビルが並んでいるっていうのに」
ここは高層ビルを背景に臨海部に面した珍しい立地の庭園で、都会の中にある唯一のオアシス的な場所。
広大な敷地の中に、四季折々の風情を感じることができ、昔はしょっちゅう秋人とデートにやってきていた。
今回秋人にどこに行きたいかと尋ねられて、真っ先に浮かんだのがここだったのだ。
「あ、ハジロがいるよ!」