秘密の授かり出産だったのに、パパになった御曹司に溺愛し尽くされています
迷いながらも答えると、秋人は安堵したように表情を緩める。
「ありがとう、結愛。十七時にまた来る」
「うん、分かった」
秋人は目を細めて私の顔を見た後、踵を返して店を出て行く。
秋人に何を聞かれるのだろう。
どこまで本当のことを言うべき……?
彼の広い背中に見惚れそうになるも、すぐに視線を落として作業を再開した。
時間が経ち少し冷静になった私は、やはりあやめが秋人との子というのは、絶対に秘密にしようと決めた。
これは秋人だけじゃなく、彼の家全体に関わることなのだ。
それに、秋人には秋人の人生がある。
彼は結婚だって、する話がでているのに……。