秘密の授かり出産だったのに、パパになった御曹司に溺愛し尽くされています
秋人の提案に、みなが驚いた顔をしていた。
特にその場を解散させようとしていた女性は、絶句してその場に固まっている。
「あぁ、私の方での業務は終わったところです。瀬名の予定が空いていれば、ですが……」
店長は笑顔で振り返り、私に返事を促す。
すべてを思い通りに円滑に済ませようとする秋人を、私は真っ直ぐ見つめ返した。
もう、この際彼にはっきり言おうと心に決める。
秋人に会っていないこの一週間。
いろんな感情がぐちゃぐちゃになったりしたけれど、やはり彼の気持ちに応えることはできない。
互いの今の幸せな生活が壊れることだけは、絶対に避けなくてはいけないのだ。
「分かりました。時間はあるので、葛城社長……ご案内頂けますか?」