秘密の授かり出産だったのに、パパになった御曹司に溺愛し尽くされています
嬉しそうなあやめを横目に、スマホでメッセージアプリを開く。
緊張しながらも、あやめの写真と【今日貰ったお洋服、すごく喜んでいます。ありがとう】と簡素なメッセージを送った。
するとすぐに、メッセージの既読を示す✓マークがつく。
なんて秋人は返事をくれるんだろう……。
ドキドキと体に響く心臓の音を聞いていると、突然着信が鳴る。
まさか、秋人がこのタイミングで電話をかけてくるとは思っていなかった。
心臓が一際跳ね、つい反射的に電話をとってしまった。
「もっ、もしもし……!」
『結愛。写真ありがとう、今少し話せるか?』
「う、うん。家にいるから……」
秋人の甘い低音が鼓膜に直接響き、じわっと頬が熱くなる。
こんなふうに、秋人と電話で話すのは実に三年ぶりだ。
同棲していたときは、秋人が仕事から家に帰ってくるときに、毎日電話をくれたのを思い出す。
胸のときめきを感じながらも、平常心を保とうと言い聞かせた。
『無事に帰れたみたいで安心した。あやめちゃん、いい笑顔だな。サイズは平気だったか?』
「う、うん。大丈夫だった、やっぱりゴールデンファミリーのお洋服が気に入ったみたいで」
「ままぁ、ままぁー!」