秘密の授かり出産だったのに、パパになった御曹司に溺愛し尽くされています

秋人は厳しい口調で訴えると、まっすぐ私を見つめる。

彼の強い瞳から、本気で私のことを心配してくれているのは分かっている。

でも……自分でも嫌になるけれど、今は彼の好意を素直に受け取れない。

不思議なことに、こんなときに雪平さんに対して、胸が焼けるほどの嫉妬が湧き上がる。

親同士の公認の彼女にも、こんなふうに触れて、こんなふうに見つめたことがあったのかな。

じゃあどうして、秋人はまだ私に好きだとか、愛しているとか伝えてくるの?

「手、離して……私は平気だから……!」

「結愛がそう言って、平気だった試しがない」

「!」

秋人はきっぱりと否定し、振りほどこうとした私の手をさらに強く握ってくる。

身構えたのもつかの間、熱い体温が服越しに伝わり、甘い香りに包まれた。

もうすでに、ほとんど彼の腕の中に入っており、心臓が早鐘を打ち始めている。

「秋人、やめてよ」

これ以上密着しないよう顔を上げると、悲し気な瞳と視線が絡んだ。

「……っ」

「結愛の言葉を鵜呑みにし、三年前、家にひとりにしたことを後悔している。君は優しいから、自分よりも人のことで、体が辛くても何か問題があってもすべてひとりで解決しようとする。もういい加減、俺には本当のことを話してくれないか」

彼は、三年前の私の行動と今の行動が重なって見えているのだろう。

こんな辛そうな顔を見ると、彼の傷がまだまだ癒えていないのは一目瞭然だ。

途端に罪悪感が込み上げた。

けれど、それでも素直に「はい」とは言えない。

私に対し不透明な秋人に対して、純粋な気持ちでぶつかろうという気にはもう到底なれないのだ。

「秋人も、私に本当のこと言ってないんじゃないの……?」
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