【コミカライズ決定】本日をもって守護騎士を解任します。悪役令嬢の運命に巻き込みたくないので。
「……好都合じゃない?」
このまま、修道院に送られてしまえば、乙女ゲームのシナリオからは遠く離れることが出来る。
私の望む展開なのだから。
「お嬢様っ、こちらをご覧ください」
「ミミ? どうしたの」
一枚の紙を私に手渡してきた侍女のミミ。
最近、王都で流行っているという新聞というものだろう。
そこには、エディルの活躍が一面に書かれていた。
あれから、一時は守護騎士の解任という不名誉をこうむったエディルだが、騎士団試験にトップで受かった後、その活躍で王都を賑わせている。
「――――ありがとう」
その新聞を片手に、ミミの入れてくれた少し苦みのあるハーブティーを飲む。
そこには、王都で行われた王室主催の大会で、エディルが完全勝利を収めたと書かれていた。
「ふふっ。さすが私の推しね」
本当だったら、横断幕でも持って大会に応援に行きたかった。
悪役令嬢ではなく、ただの脇役に生まれていたら、思う存分推しを応援できたのに。