【コミカライズ決定】本日をもって守護騎士を解任します。悪役令嬢の運命に巻き込みたくないので。

 干ばつの時には便利だけれど、基本温暖で雨も降るこの王国では、そこまで有用な魔法ではないかもしれない。

 砂漠に生まれたら、聖女だったのにと、幼い頃エディルには良く言われたものだ。

 エディルは今頃どうしているのだろうか。
 時々、エディルの活躍が新聞の一面を飾る。
 すごい勢いで活躍するエディルは、英雄と呼ばれ始めている。

 あるときは、最前線で魔獣を率いる魔女を打倒したとか。
 そのほかは、白いオオカミの獣人たちを倒したとか。

 魔王軍に押され続けている人族の中の希望……。
 それは、もともと聖女であるヒロインと王太子のいるべき場所だったはず。

 戻ったら、確実に騎士団長になるだろうと噂されていた。

 その婚約者は、問題のある公爵令嬢で、ほとんど引きこもり状態なのだけれど、いいのかしら。

 知っていた。エディルがチートかってくらい有能なこと。
 いくら公爵家令嬢のそばだからって、私が王妃でもならなければ、守護騎士なんてなっていても、その才能をつぶしてしまっているだけなんだって。

 だから、私から離れれば絶対にあっという間に騎士団で昇進していくと思ってはいた。
< 21 / 29 >

この作品をシェア

pagetop