【コミカライズ決定】本日をもって守護騎士を解任します。悪役令嬢の運命に巻き込みたくないので。
「愛してるなんて……嘘つき」
守護騎士であることが、エディルから私を守っていたなんて、意味が分からない台詞を残して戦場に逃げるように去ってしまうなんて。
しかも、屋敷に私を閉じ込めてしまうなんて。
どう考えても、私のことを憎んでいるとしか思えない。
「たしかに、相談もなしに守護騎士を解任した私にも否はあったかもしれないけれど。戦場になんてどうして……」
エディルのような伯爵家令息が、最前線に立つなんてあるはずない。
それなのに、エディルに関する記事は、危険な最前線で華々しい戦果を挙げたという内容ばかり。
そんなある日、届いた手紙に漸くエディルが帰ってくると記されていた。
私は、擦り切れるほどその手紙を何度も読んだ。
帰ってきたら、真実を教えてもらわなくては。
私は、手紙をそっと宝箱にしまい込んだ。