【コミカライズ決定】本日をもって守護騎士を解任します。悪役令嬢の運命に巻き込みたくないので。
――――私のことなんか、好きでも何でもないのだとしても。
その時、正門の方が騒がしくなった。
もしかして、エディルのことを探しに来たのではないだろうか。
「パレードから主役がいなくなってしまったら、大騒ぎなのでは? 早く戻らないと」
「一緒に来てくれる?」
「え?」
「そのドレス、良く似合っている」
なぜか、この屋敷にあるドレスは全て、藍色と銀白色が取り入れられたものばかりだった。
それは、エディルの色で……。
まさか、私に自分の色を纏ってほしいなんて……そんなはずないでしょう?
どう返事をしていいか、悩んでいる間に横抱きにされてしまう。
「エディル! 私なんかが一緒に行ったら、せっかくの晴れ舞台が!」
「――――王都で俺たちがなんて呼ばれているか知らないの?」
「え……?」
「守護騎士を愛してしまったため、その幸せを願い任を解いた健気な令嬢と、愛する令嬢を手に入れるために英雄になった元守護騎士」
――――なんですか、その物語みたいな二人は。え? 私たちですって? うそでしょ?
「ごめんね……生き残ってしまって。おかげで、シルは嫌っている男と結婚しなくてはいけない」
「……え? 嫌ってるって、誰が誰を?」
「――――だって、守護騎士を解任するほど嫌って」
「……え? 私のことを嫌っているのはエディルの方ではないの」
「え?」