【コミカライズ決定】本日をもって守護騎士を解任します。悪役令嬢の運命に巻き込みたくないので。
あるエンディングでは、屋敷とともに火に呑まれる悪役令嬢を追いかけて、その中に飛び込んでいく。
そして、別のエンディングでは、修道院に護送される途中、襲われた悪役令嬢を守るために最後まで戦い地に伏す。
あるときは、毒による自殺を促され倒れた悪役令嬢の残した毒杯を煽り後を追う。
――――推しの一途さに、私は毎回涙した。そして、二人が幸せに過ごせるエンディングはないのかと、全てのシナリオをコンプリートした。
そんなもの、なかったけれど。
「結局、エディルの不幸は全て、悪役令嬢である私のせいなの……」
その事実が、私の心を締めあげる。
自分が悪役令嬢であることは認められても、そのことで大事な幼馴染が巻き込まれてしまうなんて、辛すぎるから。
誕生日パーティーで、全員が見ている中、守護騎士を解任しよう。
そうすれば、エディルから距離をとることが出来る。
幸いなことに、私はまだ王太子の婚約者に選ばれていない。
物語が始まる今なら、きっとエディルを巻き込まない未来を選ぶことが出来るから。