【コミカライズ決定】本日をもって守護騎士を解任します。悪役令嬢の運命に巻き込みたくないので。
そのドレスは瞳の色で。
あれから、私は謹慎を命じられた。
自室から外を眺めるばかりの毎日。
不思議なことに、王太子からの婚約が決まったという知らせはいつまでたっても来ることがなかった。
「まあ、あれだけの騒ぎを起こせば当たり前か……」
守護騎士の誓いはとても神聖なものだ。
私とエディルは、十歳になった時に守護騎士の誓いを交わした。
あの時、私の前に跪いたエディルは「死が二人を別つまで、シルフィーナ様のすべてをお守りします」と私の髪に口づけを落とした。
あの日から、エディルは私のことをシルではなくシルフィーナ様と呼ぶようになった。
守護騎士の誓いは、お互いによほどの問題が起こらない限り破棄されることはない。
たとえ、王族と結婚することになったとしても、そばで生涯仕えることが許される唯一の存在だ。
ある意味、婚約なんかよりもずっと神聖で強固な誓いなのだ。
それを公衆の面前で破った私の公爵家令嬢としての価値は、地に落ちたともいえる。