あの日ふたりは夢を描いた
「あんまり目立たない場所にあるよね」

「でも品ぞろえも豊富だし、隠れ家的な雰囲気がいいね。今日漫画二冊買っちゃった」

そう言って右手に下げているビニール袋を上にあげ私に見せた。

「あっ、お買い上げありがとうございます」

「いいえ、家が近いしまた来るな。クラスも同じだし、これからもよろしく」

「……うん。こちらこそ」

真柄くんが帰ってから気がついた。

私、ほぼ初対面の人なのに自然体で話せてた。こんなこと今まではほとんどなかったんだけど……

真柄くんってすごい。親しみやすくて抜群に人柄がいい。

残りの仕事を片付けながらそんなことを思って一人で感心していた。
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