あの日ふたりは夢を描いた
*理央side*

僕は転校生できみと一年だけ同じ小学校に通っていた。
六年生から卒業するまでの間だけ。

大きな小学校で一学年五つもクラスがあったから、僕のことなんて知らないだろうけど。

きみを知ったのは夏休み明けの始業式。

壇上に上がり演台の前に立ち、全校児童の前で堂々と作文を読むきみに、心底惹かれたよ。

あの感覚が俗に言う一目惚れってやつだったのかな。当時はわからなかったけど、今となってはそんな気がする。
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