あの日ふたりは夢を描いた
地元の市が主催した作文コンクールで賞を受賞したらしい。

その受賞した作品を始業式終わりにみんなに向けて読んでいた。

今でも覚えている。エアコンのない蒸し暑い体育館の中、きみの迷いのない明るい声が僕の心にすっと届いたこと。

暑さも忘れ、ただきみから目が離せなかったこと。
 
同い年なのに高い志を持ったきみに衝撃を受けたんだ。

小学六年生、まだ先のことなんて深く考えていない友達がほとんどで、真面目に夢を語ることが恥ずかしいと思っていたから。
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