あの日ふたりは夢を描いた
その気持ちをきみが覆した。

アイドルになりたい、ずっと心の中で思っていたけれど、人に馬鹿にされるんじゃないかと怖くて親にも話せなかった。

一握りの人しかなれない、誰でもなれるわけではないと、子どもながらに感じていたから。

だけど彼女は『小説家になる』と、こんなに大勢の人の前で宣言して、具体的な夢を叶える方法、今取り組んでいることを生き生きと語っていた。

彼女が素敵だと、眩しすぎると率直に感じた。
負けていられないとも思った。

誰になんと言われてもいい、馬鹿にされてもいい。
自分はアイドルになりたい、そんな思いが今までと比べ物にならないくらい強く湧き上がった。
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