あの日ふたりは夢を描いた
『大げさなんかじゃない。今の僕がいるのはきみのおかげだよ』

それからまだ言いたいことがある。

『僕は、きみの中にいつも昔のきみを探しているわけじゃない。
ちゃんと今のきみを見て、それでもまだ一緒にいたいと思ってる』

そうはっきり伝えた。

『じゃあ私も一つ。あなたに伝えてもいいかな』

思わぬ提案をされたから心底驚いていた。

『……あのね、あなたに出会えてよかった。

私をまた、見つけてくれてありがとう』

『この前真柄くんに言われたんだ。表情が明るくなったって。なんでかなぁって考えたとき、一番に思い浮かんだのがあなただった』

真柄の名前が出たことには嫉妬したけど、目の前の可愛い彼女を抱きしめずにはいられなかった。

『きみから離れたくない。ずっと一緒に生きていきたい』

目頭が熱くなり心の声が漏れてしまった。

これが今の僕の本音だよ。

……まだ生きたいんだ、きみと一緒に。
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